株式会社インタースは新型コロナウィルスによるパンデミックを機会にリモートワークを導入しました。
揃って出社していた頃と全く同じとまでは言えませんが、開発作業は、チーム開発も含めて問題なく回っています。
(小規模なため既に全員「お互いの気心が知れている」ことも、うまくいっている背景になっているとは思いますが・・・)
もともとフレックスタイム制を実施していたのに加え、Microsoft Teamsなどのグループ・リモート会議ウェアやGitHubなどのプロジェクト管理ウェアなどの導入を進めてきていましたので、可能だとは思っていましたが、拍子抜けする程スムーズに移行することができました。
で、気がつけば、いわゆる「コロナ明け」後もそのまま継続しています
お笑いコンビ「アイデンティティ」は、声優野沢雅子さんのものまね(といってもほとんどがドラゴンボールの孫悟空キャラの真似ですが)でブレイクしましたが、そのネタでしかテレビ出演ができず、当人の田島直哉氏が「遊びで始めたら戻れなくなっちまったぞ〜」と嘆くのも持ちネタにしてしまっていた時期がありました。
弊社はもちろん「遊び」で始めたのではありませんが、「元に戻れなくなっている」点では同じです。
リモートワークの利点とは?
何故元にもどさないのか?当然利点があるからです。
リモートワークの利点に関しては数多くの文献やウェブサイトで述べられていますので、ここで詳述する必要もないでしょうが、主に次のようなことがあげられていいます。
(1) 柔軟な働き方を提供できる
能力・スキルがありながらその人の事情で決まった時間の勤務が難しい人材でも登用することができる
(2) 地理的な制約なく人材を登用できる
これは詳述するまでもなく、東京に事務所があっても北海道・沖縄在住の人も社員としての登用が可能
(3) 時間の節約
最もわかりやすいのは通勤時間でしょう。会社にとって直接有益かどうかは別として、少なくとも当人にとってはほとんどの場合利点と言えるでしょう。
それは「労働環境の改善」という意味で会社に有益なものとなります。
(4) 生産性の向上
オフィスでの雑用・雑音に邪魔されず仕事に集中できることが期待されます。
(かわりに家の雑用・雑音に邪魔されるというケースもなきしもあらずですが)
(5) コスト削減
オフィス設備や光熱費等の削減が期待できます。
私たちは「働き方改革」と大上段に振りかぶるつもりはなく、純粋に(3)(4)(5)の故にリモートワークを継続しています。
特にオフィスの規模を縮小できたことは大きなのコスト削減につながりました。
メリットばかりではないですが・・・
もちろんリモートワークにはデメリットもあります。
これも書籍やウェブサイトなどでいろいろ指摘されていると思いますが、私たちが感じるのは
「どんなにリモート会議ウェアなどを使っても「face to face」で行うコミュニケーションを凌駕することはできない」
ということです。
ですが、私たちの場合は(3)(4)(5)のメリットを帳消しにするようなデメリットにはなっていないと思っています。
導入にはハードルも
全社的でなくても一部でリモートワークを導入されるケースも増えているようです。
私たちのリモートワークについてお客様にお話をしたところ、
「何が必要なのか」
「どんな運用をすればいいのか(どんなルールを作ればいいのか)」
などのご質問を受け、アドバイスをさせていただいたこともあります。
(ご興味がおありでしたらご相談をお受けすることもできます。株式会社インタースのウェブサイトの「お問合せ」などからお問合せください。)
ですが、多くの場合は「御社のような業態はできるでしょうけどね・・・」という反応が返ってくる、というのは皆さんも容易に想像していただけるかと思います。
私たちのような業種が扱うのはは基本的にデジタルデータで、ほぼすべてがコンピュータとサーバーの中にあるので、それらにアクセスできる状況を整備すれば、こうしたリモート対応が比較的容易に実現可能です。
が、小売、飲食、製造、建設・建築等の業界では、「店舗」「工場」「現場」が不可欠である限り、「リモートワークという概念自体が業態と矛盾している」と言っても良いくらいかもしれません。
私たちのお客様の中にアパレル製造販売の企業がいらっしゃいます。
私たちが20年以上にわたり、業務システムや経営データの分析システムをご提供するとともに、様々な課題解決のお手伝いをさせていただいてきており、この間、店舗数ベースで10倍、売上ベースで6倍となり、アパレル不況が叫ばれる中で着実に成長してきました。
このお客様は全国の百貨店に多数の店舗を出店されています。
新型コロナウィルスが猛威をふるい始めた初期の頃、多くの百貨店が営業停止の判断を余儀なくされたことを覚えていらっしゃる方も多いでしょう。
「大家」である百貨店が閉まってしまえば、いわば「店子」である店舗になす術はないのですが、この会社は直営店も数多く構えていますし、ECも販売チャンネルとしてお持ちですので、百貨店で「眠っているしかない」在庫をそれらに再配置することを考えられました。
ところが通常の休業ではなく、パンデミックによる閉鎖なので百貨店に入ることすらできず、対応に大変苦慮されていました。
この課題についてはさすがにICTではお手伝いのしようもなく、もどかしい思いをするばかりでした。
リモートワークとは直接関係はありませんが、リアルな店舗や現場を持つことにまつわる難しさの一端を学ばせていただいた次第です。
閑話休題。
建設業界のリモートワーク
同様に建設現場という「現場」を持つ建設業で、ある種のリモートワークが注目されています。
それは「遠隔臨場」と呼ばれるものです。
遠隔:離れていること
臨場:その場に臨むこと
矛盾してます。
国土交通省が推進している「iConstruction」(ICT、IoTを活用した建設業務のデジタル化・効率化)の流れの中で提唱されている「遠隔臨場」は、魔法でも使わなければ二律背反となる「遠隔地にいながら臨場する」ことを、ICTによって実現し、建設業務の効率化を図ろうというものです。
・・・
ちょっと長くなりました。「遠隔臨場」については次の投稿でご紹介します。
代表 松下正寿